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キャリブレーションレポートとは?

BenQ
2025/01/23

BenQのフォトグラファーやデザイナー向けモニターが他のシリーズと異なる一つの理由としては、すべてのモニターにキャリブレーションレポートが同梱されていることです。これらのレポートはなぜ同梱されているのか、どう重要なのか、またどう読むのか、などの疑問を紐解いていきます。

キャリブレーションレポートの重要性

はじめに、キャリブレーションレポートの重要性について説明します。BenQ のフォトグラファー/デザイナー向けモニターはすべて、工場での厳しいキャリブレーションプロセスを通過しています。しかし、キャリブレーションが行われたことを証明するにはどうすればよいのでしょうか?そこでキャリブレーションレポートの出番です。このレポートを見ることで、記載されたシリアル番号のモニターの工場校正プロセスの結果を確認することができ、校正結果を証明するものと見なされます。例として、BenQ デザイナーモニターPD2700U の工場キャリブレーションレポートのサンプルを図 1 に示します。

図1: PD2700U 工場出荷時キャリブレーションレポート

校正レポートには多くのチェック項目があります。それぞれの項目については、次の段落で詳しく説明します。図1の各項目、例えばガンマ曲線を調べると、図中に2本の線があることがわかります。1本の線は目標値を表し、もう1本の線は実測値を表しており、このレポートで工場校正プロセスのパフォーマンスを確認することができます。このレポートを確認することで、モニターを取り出して光学特性をユーザーが再度測定する必要もなく、モニターの色精度などのパフォーマンスを事前に把握することができます。

キャリブレーションレポートの見方(PDシリーズ)

それでは、BenQ デザイナーモニター PDシリーズのキャリブレーションレポートを詳しく見ていきましょう。レポートの最上部には「モデル情報」が記載されており、モデル名とレポートに関連付けられたモニターのシリアル番号が表示されます(図2参照)。キャリブレーションレポートは各モニターごとに基づいているため、シリアル番号を使用してレポートとモニターを照合します。各レポートは異なるモニターの測定結果を報告しているため、唯一無二のものとなっています。

図2: PDシリーズキャリブレーションレポートのモデル情報

レポートの第2部は「色域・色差(Delta E)」です。この項目では、測定条件、赤・緑・青の色および白色のu'v'カラ―座標(またはx,yカラ―座標)、および標準的なBenQテストパッチセットの平均Delta Eが記載されています。この項目のサンプルは図3に示されています。

モニターは、まず「色差(Delta E)測定条件」に記載された特定の条件のもと、キャリブレーションされています。条件は、6500Kの色温度、ガンマ2.2、sRGB色域、デジタル入力を使用すること、などがあります。すべての測定には、コニカミノルタのCA310測定器が使用されており、色域はモニター内の赤、緑、青の色によって定義されるため、「色域境界パッチ」にてu'v'カラ―座標(またはx,yカラ―座標)と白点が記録され、モニターの色域および白点を表示しています。

「Delta Eテスト結果」には、平均Delta Eも記載されています。平均Delta Eは、BenQの標準テストパッチセット(39種類のユニークなテストカラーで構成)に基づいて計算されています。Delta Eは「色差」と呼ばれ、テストカラーが基準カラーとどれだけ異なるかを示す指標です。この場合、測定値を39の基準値と比較し、平均Delta E値を算出します。 Delta Eにはさまざまなバージョンがありますが、ここで使用されているのはDelta E 2000です。Delta Eは色の正確さを評価するために使用されます。 Delta E < 1.00: 専門家が2つの色を並べて比較しても、視認できる差がないことを意味します。 Delta E < 3.00: 一般的な使用用途において、影響するような差が生じないことを意味します。

図3: PDシリーズキャリブレーションレポートの色域とDelta E

キャリブレーションレポートの次は「ガンマ」セクションです。このセクションのサンプルは図4に示されています。キャリブレーションされたガンマ曲線と目標ガンマ曲線が両方とも図にプロットされています。目標ガンマ曲線はガンマ2.2です。ガンマ曲線は、デジタルディスプレイで黒から白への遷移がどれほどスムーズかを示すものです。工場でのキャリブレーションプロセス中に、ガンマ補正プロセスが適用され、モニターのガンマレベルが補正され、グレー階調がスムーズに表示されるようになります。キャリブレーションされたガンマ曲線は目標ガンマ曲線と重ねて確認を行います。重ね合わせることで、ガンマ曲線のキャリブレーションを高い精度で行うためです。

Figure 図:4PDシリーズキャリブレーションレポートの色域

キャリブレーションレポートの最後は「色温度」項目です。この項目のサンプルは図5に示されています。色温度は白点の「色味」を指し、通常はケルビン(K)単位で記載されます。例えば、3000Kの白は赤みや黄色みを帯びた白で、9300Kであれば青みがかった白となります。「通常の」白、すなわち色味のない白は6500Kとして定義されます。グレースケール全体で同じ色温度を維持することが望ましいため、図には白だけでなく、グレースケール内のすべてのグレーの色温度も表示されます。理想的なグラフは、プロットすると水平線になりますが、実際の線は暗いシャドー部分が曲がっています。要因となるものは主に液晶ディスプレイの特性と、測定機器が暗い領域で導入する際の誤差が挙げられます。一般的にグレースケールが40未満の測定値は信頼性が低く、測定に含めないべきだと考えられています。

図5: PDシリーズキャリブレーションレポートの色温度

デザイナー向けPDシリーズの出荷時校正プロセスでは、色域、色差(ΔE)、ガンマカーブ、色温度が調整されます。キャリブレーション結果は上記のようにレポートに反映されます。つづいて、SWシリーズのキャリブレーションレポートを見てみましょう。

キャリブレーションレポートの見方(SWシリーズ)

工場出荷時のキャリブレーションレポートは2ページありますが、フォトグラファー向け SWシリーズのレポートは、デザイナー向け PDシリーズのレポートよりも細かい情報が記載されています。SWシリーズのキャリブレーションレポートを詳しく見てみましょう。SW270C の工場出荷時キャリブレーションレポートのサンプルを図 6 に示します。レポートの最上部には「モデル情報」があり、図 7 に示すように、レポートに関連するモデル名とモニターのシリアル番号が記載されています。この項目は PD シリーズのレポートと同じです。キャリブレーションレポートは個々のモニターに基づいているため、レポートとモニターを一致させるためにシリアル番号が使用されます。それぞれのモニターの測定結果を報告するため、各レポートは唯一無二のものとなります。

図6: SW270C 工場出荷時キャリブレーションレポート

図7: SWシリーズキャリブレーションレポートのモデル情報

モデル情報の下には、「色域と色差(DeltaE)」が記載されています。この項目では、測定条件となる赤/緑/青/シアン/マゼンタ/黄の各色と白のxy色座標、u'v'色座標に加え、標準的なBenQテストパッチセットの平均色差(DeltaE)と最大色差も記載しています。この項目のサンプルを図8に示します。

モニターは「色差(Delta E)測定条件」に記載された特定の条件のもと、キャリブレーションされています。条件は、6500Kの色温度、ガンマ2.2、Adobe RGB色域、デジタル入力を使用すること、などがあります。すべての測定には、コニカミノルタのCA310測定器が使用されており、色域はモニター内の赤、緑、青の色によって定義されるため、「色域境界パッチ」にてxyカラ―座標およびu'v'カラ―座標と白点が記録され、モニターの色域および白点を表示しています。さらに、シアン、マゼンタ、イエローの色についてもxyカラ―座標およびu'v'カラ―座標が記録され、測定された色域と目標色域が視覚的に理解しやすいよう、1931色度図にて記載されています。

「Delta Eテスト結果」には、平均Delta Eと最大Delta Eはが記載されています。平均Delta Eと最大Delta Eは、39のユニークなテストカラーからなる標準BenQテストパッチセットに基づいて計算されています。Delta Eは「色差」と呼ばれ、テストカラーが基準カラーとどれだけ異なるかを測定する指標です。この場合、測定値を使って記録した39色のテストカラーを基準値と比較し、Delta Eの平均値を求めます。Delta Eにはさまざまなバージョンがありますが、ここで使用しているバージョンはDelta E 2000です。Delta Eは色の正確さを評価するために使用されます。Delta E < 1.00: 専門家が2つの色を並べて比較しても、視認できる差がないことを意味します。Delta E < 3.00:一般的な使用用途において、影響するような差が生じないことを意味します。

図8: SWシリーズキャリブレーションレポートの 色域とDelta E

SWシリーズのキャリブレーションレポートには、「均一性」の項目があります。均一性とは、表示領域の均等さを指し、全画面で白い色を表示した際に目に見える影や色の違いがあるかどうかを示します。均一性補正がオンの状態で、色温度、ガンマ、色域が測定されます。図9の「均一性」奥目のサンプルから、測定条件が色温度6500K、ガンマ2.2、Adobe RGB色域に設定されていたことがわかります。測定されたグレー階調はレベル255で、これは白に相当し、測定器はコニカミノルタのCA-2000が使用されています。

図9の右上には、パネルにおいての測定点を示す図があります。L%およびDelta Eの観点から、合計25点での測定が行われています。均一性を調整する際は、この25の測定点以外にも数百のサブリージョンがBenQ独自の技術を使用して調整されています。25点のすべての測定データは、中心(番号13)の測定点と比較され、中心点でのL%(輝度)の測定結果を100%、Delta Eは0.00としています。サンプルの均一性データから、モニターの輝度はほぼ均一で、2%の変動があることがわかります。また、Delta Eも1未満であるため、全画面に白を表示しても、目に見える色味や色調の変化はありません。

図9: SWシリーズキャリブレーションレポートのユニフォミティ

キャリブレーションレポートの次は「ガンマ」項目です。この項目のサンプルは図10に示されています。キャリブレーションされたガンマ曲線と目標ガンマであるガンマ2.2の曲線が表にプロットされています。ガンマ曲線は、デジタルディスプレイで黒から白への遷移がどれほどスムーズかを示すものです。工場でのキャリブレーションプロセス中に、ガンマ補正プロセスが適用、モニターのガンマレベルが補正され、グレー階調がスムーズに表示されるようになります。キャリブレーションされたガンマ曲線は目標ガンマ曲線と重ねて確認を行います。重ね合わせることで、ガンマ曲線のキャリブレーションを高い精度で行うためです。

SWシリーズのキャリブレーションレポート、終わりはDICOM項目です。DICOMは、医療用グレースケール画像デバイスや画像のための医療標準であり、Digital Imaging and Communications in Medicine(医学におけるデジタル画像と通信)の略です。AAPM TG-18、米国医学物理学者協会タスクグループ18によって確立された規格であり、主に影の部分に重点を置いてグレースケール画像(デジタルX線画像)を表示するための規格です。DICOM曲線はこの目的のために特別に調整されたガンマ曲線で、輝度に依存します。医療用途であるため、標準曲線の10%(上下限)に制限されています。図11には、DICOM標準曲線、上限、下限、および18の測定点がプロットされています。もし18の測定点すべてが制限境界内に収まっていれば、右上のテスト結果に「Pass」と記載されます。もし1つでも測定点が制限境界を超えていれば、「Fail」と記載されます。X線画像を適切に診断するため、厳格に規格内であることが求められます。

図10: SWシリーズキャリブレーションレポートの色域

図11:SWシリーズキャリブレーションレポートの DICOM曲線

まとめ

BenQのデザイナーモニターPDシリーズとフォトグラファーモニターSWシリーズのモニターは、どちらも工場出荷時にキャリブレーションが行われていますが、そのプロセスはシリーズごとに若干異なります。そのため、キャリブレーションレポートにも少し違いがあります。PDシリーズのモニターのキャリブレーションレポートには、色域、色差(Delta E)、ガンマカーブ、色温度が記載されており、これらの項目は前述の段落で詳細に説明されています。一方、SWシリーズのモニターには、色域、色差(Delta E)、ガンマカーブ、色温度、均一性、DICOMカーブが調整され、これらすべての測定結果がキャリブレーションレポートに記載されています。キャリブレーションレポートの重要性についてより深く理解することで、データが何を意味するのか、モニターがどれほど正確にキャリブレーションされているかを確認することができます。

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