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BenQナレッジセンター | 知識ページ

どのように「正確な」色を定義したらよいか?

BenQ
2018/05/29

どのように「正確な」色を定義したらよいか? どのように「正確な」方法で色を定量化することができるか? このトピックに入る前に、フォトグラファー、デザイナー、画像処理の専門家、繊維産業やその他の業界の人々にとって、色の定量化がなぜ重要であるかをもう少し詳しく説明しましょう。

色について説明しようとするとき、思い浮かべた色の対象物を指すのが最も一般的な方法です。たとえば、「赤」の色を記述するとき、通常、「赤」を表すのに「リンゴ」が使用されます。しかし、このときどんなリンゴについて話しているのでしょう? 誰もが同じリンゴを思い浮かべているでしょうか? 図1を見ると、異なる種類のリンゴに少なくとも7つの異なる色合いの「赤」があります。最後の例に至っては、すでに赤でさえありません!したがって、対象物を使用して色を記述するという方法には矛盾があります。そして、私たちはコミュニケーション上の矛盾を減らす方法を見つける必要があります。

図1:異なる種類のリンゴ

人間は正確な測定値を表現するために「数字」を使用する傾向があります。たとえば、長さ、重さなどを表す数字を使用します。したがって、数値形式で色を表現する方法が必要です。要するに、色Aと色Bは同じ数値を持つため、同じである、といった具合です。1913年にさかのぼると、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage)は人間が知覚できる色を定量化するための三刺激値(XYZ値)を定義しました。XYZ値は、光源のスペクトルパワー分布、物体の反射率、および人間の視覚系の特性を記述する標準オブザーバ関数の3つの属性を乗算することによって構成されます。結果として、色Aと色Bとが同じXYZ値を有する場合、色Aと色Bは同じように見えると言えます。

図2:XYZ値を計算する数式

数値で色を定義するもう1つの利点は、座標系を使用して図で色を簡単に表現できることです。そしてこれが色空間を形成します。図3は1931年のCIE xy色度図を示しています。これは人間が知覚できるすべての色を表しています。しかし、この図は人間の視覚系の感度を真に反映していません。たとえば、青と緑を見てみましょう。人間は青色に非常に敏感で、緑色にはさほど敏感ではありません。赤色が若干強まるとその色を紫色、緑色が少し強まるとその色をシアンと認識します。この現象は図3のCIE 1931 xy色度図には反映されていません。結果として、1976年に、人間の視覚系の感覚を反映するためにu’ v’色度図が提案された。

図3:CIE 1931 xy色度図

図4:CIE 1976 u'v'色度図

さて、ここでは色を数値化するシステムを定義しました。

次の質問は、どのように色を測定するかです。

私たちは長さを測るのに物差しを、重さを測定するのに量りをそれぞれ使用できます。色を測定する場合、まず光を測定する必要があります。物差しや量りを使用するのに比べて光を測定するのは容易ではありませんが、そのためのツールがあります。たとえば、分光放射計を使用すると光のスペクトルパワー分布を測定できます。

しかし、これらの器具はかさばるうえ高価であり、持ち運びが容易ではありません。したがって、「比色計」と呼ばれるより単純化された装置が開発されました。比色計はXYZフィルターのセットを通して光を測定するので、速度は分光放射計よりも速くなりますが、精度は低くなります。

*XYZフィルター:XYZ値(三刺激値)の光学特性を波長ごとの透過率で模した光学フィルター。

先に述べたように、XYZ値のセットが同じ値の場合、これらの色は同じように見えることがあります。しかし、XYZ値が同じではない場合でも、同じような色に見えることはあります。たとえば、明るい部屋で明るい光を見るのと、暗い部屋で暗い光を見るのでは、XYZの値は同じではありません(光の強さの違いでそのように感じますが、同じ色の光と知覚します)。これは私たちの視覚システムの適応によるものです。別のシナリオは、異なる媒体の色を比較することです。たとえば、ディスプレイと印刷された用紙の色を比較するといった場合です。したがって、この適応現象を定量化するために別の指標が必要になります。L*a*b*色空間(図5に示す)が提案され、この「正規化」目的のために構築されました。背景や媒体(紙など)の中で最も明るい光レベルを100と定義し、最も明るい光に応じて背景や媒体の他のすべての色を標準化します。その結果、異なる媒体の異なる強度または色の光を比較することができます。

図5:L*a*b*色空間

同じように見えるもののわずかに異なる2つの色を見ると、これらの色がどれほど近いのだろうかと感じることがあります。色を表現するための数値を使用せずに、「似ている」と言うことはできます。しかし、どれくらい「似ている」のでしょう? また、色の認識は人によって異なるもので、「似ている」とする根拠は何でしょう? XYZ色空間またはL*a*b*色空間を使用すると、色の違いを数値で表すことができます。特定の色空間(L*a*b*色空間が通常使用される)における2つの色の間の差を計算することによって、差分値を得ることができます。この差分値のことを「色差」といいます。私たちは通常、「色差」を指定するためにDelta E*を使用します。

最も単純なバージョンの色差式は、delta E * 76(delta E*ab)と呼ばれます。

繊維産業およびグラフィックアート業界ではより複雑な式が使用されています。1994年に発表されたため、delta E* 94と呼ばれています。

2000年には研究者が人間の視覚系が知覚するものを真に反映するために、新しいバージョンの色差式を開発しました。これはDelta E *2000(Delta E*00)と呼ばれます。Delta E*00に関して計算された値と人間の知覚との間の高い相関関係を達成するために大規模な研究が行われたことから、Delta E*00には国際標準となり、すべての科学研究に使用することが推奨されています。

上の数式に示されているように、2組のL*a*b*値が必要です。特定の色の精度を判断する必要がある場合は、測定されたL*a*b*値のセットと定義されたL*a*b*値のセットが必要になります。前述の計測器を使用して測定値を得ることも可能ですが、「定義済み」または「標準」値はどのように取得するのでしょう? 「定義済み」値または「標準」値は、標準チャートを使用して取得できます(図6)。これらのカラーチャートは、チャートのすべての色についてL*a*b*値を定義しており、各チャートは許容誤差を満たすように非常に注意深く作成されています。したがって、この値が変動することはないため、これらのチャートは基準として使用できます。

色の精度を判断するには、Delta E*00がよく使われます。delta E*00 < 1.00は、2つの色を並べて比較するとき、専門家に知覚できる差異がないことを意味します。delta E*00 < 3.00は、一般的な人に知覚できる有意差がないことを意味します。(専門家とは、カラーサイエンスの専門家または経験豊富なフォトグラファー、デザイナー、画像処理の専門家などを指します)

まとめると、色を定義するために数値を使用する方法とその背後にある理由について学習しました。また、XYZとL*a*b*のような各色空間の違いを学びました。最後に、色を測定する方法と色の違いを定義する方法についても学びました。delta E*00値を使用すると、色が正確かどうかを判断することができます。

図6-1:X-rite Classic ColorChecker Chart(X-riteクラシックカラーチェッカーチャート)

図6-2:X-rite Digital ColorChecker SG Chart(X-riteデジタルカラーチェッカーSGチャート)

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