近年、薄型テレビ、高性能プロジェクター、ホームオーディオ機器の普及により、大画面と高音質スピーカーを備えたホームシアターを構築するための映像機器が、映画やゲーム好きの一般ユーザーにとって手軽かつ購入しやすいものになりました。一方で、こういった機器を導入したばかりの方には、セットアップは少し難解に感じられるかもしれません。セットアップでよく見落としがちな重要なポイントとして、多くのテレビやプロジェクターにすでに搭載されているARCというオーディオ機能があります。この機能を上手に活用することによって、ホームシアターの構築がさらにスムーズで簡単なものとなります。
ARC(Audio Return Channel)は、ARC対応のHDMIポートを介して、オーディオ信号を送受信する機能です。この機能の搭載により、テレビやプロジェクターは互換性のあるサウンドシステムやサウンドバーに接続し、内蔵コンテンツの音声を簡単に出力することができます。また、セットトップボックス、コンソールゲーム機、Blu-rayプレーヤーなどの接続デバイスからフル解像度のオーディオをテレビやプロジェクターを介して送信することも可能です。本記事内では簡単な4ステップでデバイスの接続方法をご紹介します。
ARCはホームシアターのセットアップ構築において、3つの優れた点があります。一つ目の利点は必要な接続数を大幅に削減します。テレビやプロジェクターとサウンドバーの間に1本のケーブル接続だけで、すべての接続デバイスからの音声信号をサウンドバーに伝送することができます。次に、使用する接続タイプを統一し接続を簡略化します。すべてのデバイスを接続するためにはHDMIケーブルのみが必要となります。最後に、HDMIインターフェイスの速度と帯域幅を活用し、他の接続方法では難しいDolby Atmosのような音声フォーマットをサポートします。
本記事にて前述した通り、過去10年間の市場に出回っているほとんどのテレビやプロジェクターには、少なくとも1つのARC対応HDMIポートが搭載されています。しかし、急速に進化する家電市場において、次世代のARCであるeARC(Enhanced Audio Return Channel)がすでに多くの機器に導入されています。eARCは最新のHDMI 2.1仕様を実装し、帯域幅と速度をさらに向上させており、Dolby TrueHDやDTS-HD Masterのような高品質オーディオフォーマットを提供することにより、映像の進化に対応するオーディオ体験を提供します。この技術により、4K 120インチプロジェクターの高品質な映像と、オブジェクトベースの効果音や三次元音響を再現するオーディオを組み合わせた、本格的なシネマ体験が可能になります。
BenQプロジェクター製品には、ARC/eARCをサポートする多彩なモデルが用意されています。以下の表をご参照いただき、各プロジェクターのオーディオ対応を確認してください。
プロジェクター | ARC | eARC | Dolby Atmos |
プロジェクター X3000i / TK700STi / TK700 | ARC 〇 (5.1 チャンネル) | eARC 〇 (7.1 チャンネル) | Dolby Atmos 〇 |
プロジェクター TH685i | ARC 〇(5.1 チャンネル) | eARC ✖ | Dolby Atmos ✖ |
プロジェクター TK850 / TK850i / TK810 / HT3550 / HT3550i / GS50 | ARC 〇 (2 チャンネル) | eARC ✖ | Dolby Atmos ✖ |
プロジェクター TH685 / GV30 / GS2 / GV1 | ARC ✖ | eARC ✖ | Dolby Atmos ✖ |
ARC/eARC機能を最大限に活用するため、以下の4つのステップで映像機器を接続してください。
注記: 以下の接続には、イーサネット付きの認定高速HDMIケーブルまたはUltra High Speed HDMIケーブルを使用してください。
メニュー -> Audio -> Audio Output -> Audio Return+に切り替える。
OSDメニュー -> Audio -> Output -> eARCを有効にする。
もし以下の問題が発生した場合は、下記を確認してください:
サウンドバー/AVRから音が出ない場合
・HDMIケーブルが正しいポートに接続されているか確認する(上記ステップ1と2参照)。
・ケーブルの接続方向に指定がある場合、正しい方向に接続されているか確認する。
音が途切れる場合
・使用しているHDMIケーブルのバージョンや品質を確認する。認定高速HDMIケーブルまたはUltra High Speed HDMIケーブルを使用する。
Dolby Atmosの音声が再生されない場合
・プロジェクターの設定メニューを確認する(上記ステップ3参照)。
・サウンドバー/AVRがDolby Atmosに対応していることを確認する。
・認定された高速HDMIケーブルまたはUltra High Speed HDMIケーブルを使用していることを確認する。
BenQのプロジェクターやモニターはARC/eARC機能を搭載しているだけではなく、ホームシアターやコンソールゲームをさらに簡単に楽しむための便利なHDMI関連機能を提供しています。この機能を利用するには、HDMI CECを利用して接続デバイスを簡単に電源オン/オフにしたり、プロジェクター/モニターからサウンドバーの音量を直接制御したりする機能などが含まれます。このような機能をBenQのプロジェクターやモニターを使用することで、セットアップだけでなく、視聴と音響体験の操作も直感的かつ簡単になります。