ビジネスプロジェクターのバイヤー向けガイド―仕様を把握して最適なビジネスプロジェクターを選ぶ

  • BenQ
  • 2020-03-16
はじめに

適切なプロジェクターを選ぶことで、企業や社員がより少ない労力でより多くの物事を実施することに繋がります。反対に誤ったプロジェクターを使用すると、そのユーザーを苛立たせるだけでなく、会議の進捗が遅れたり、効率や生産性が低下することにつながります。こうしたあらゆる理由から、自社のビジネスに最適なプロジェクターを選択するというタスクは特に重要です。しかし、次回の購入前に、プロジェクターのさまざまな製品仕様をよく理解しておいたほうが良いでしょう。そこでこの記事では、意思決定プロセスがスムーズに進められるよう、プロジェクターの仕様でよく使用される用語について説明します。

用語の説明
投写システム(テクノロジー)

・DLP
DLPプロジェクターとは、光源から発生した光が焦点レンズを通じて移動し、色を区別する回転カラーホイールを経由してDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)チップに投写されるプロジェクターのことです。それからDMDチップ上のマイクロミラーがチップメモリに格納されたデジタルビデオ信号に基づいて角度を調整し、反射した光が投写される画像を作り出すように調整しています。DLPプロジェクターが生成する色は、精度が高く、薄くなりにくい傾向があります。

・3LCD
3LCDプロジェクターは、LCDパネルを利用し、ビデオ信号に基づいて光源からの光の色を調整し、スクリーンに投写する画像を生成します。3LCDプロジェクターを使用するメリットはその色が鮮明で濃いということですが、一方でデメリットは通常はコントラストレベルが弱く、色が薄くなりやすいということです。

光源

・レーザー
レーザー光源を使用する利点には、以下が挙げられます。
・非常に高輝度
・修理/メンテンナンスコストの低下に繋がる長寿命性
・電源のオン/オフが早い
・光やルーメンの減衰が低いため、時間が経過しても色や輝度レベルが保持されやすい
レーザー光源を使用するデメリットは、初期費用がランプ光源よりも高いことです。

・ランプ
水銀ランプを光源として使用する利点には、以下が挙げられます。
・低コスト
・強力なカラーパフォーマンス
水銀ランプを光源として使用するデメリットには、以下が挙げられます。
・短寿命:通常の使用では、平均的なランプの寿命はエントリーレベルのモデルで約2,000時間、ハイエンドモデルでは4,000〜6,000時間
・プロジェクターの寿命の間に画像が徐々に暗く、黄色がかっていく。つまり、輝度、彩度、コントラストレベルが低下する
・上記の項目により、メンテナンス費用が高い

輝度

・ルーメン
ルーメンは、一定時間の間に光源から発生される光の合計量を測定するために使用する単位です。平均的な会議室の光量は、およそ250ルクス(1平方メートルあたりのルーメン数)です。テストによれば、プロジェクターからの必要な光量はその周辺光量の約5倍、もしくは通常の会議室の場合は1,250ルクスです。下表では、スクリーンサイズに応じて、250ルクスの周辺環境光設定で設置されたプロジェクターの推奨されるルーメン数を一覧化しています。

画質

・コントラスト比
コントラストを測定する最も簡単な方法は、白一色と黒一色の画像から反射された光の明るさの比率を測定することです。つまり、コントラスト比が5000:1のプロジェクターの場合、白一色の画像が黒一色の画像よりも5000倍明るいということになります。コントラスト比が高いほど、数字、テキスト、グラフィック、写真、ビデオなど、形式に関わらず画像の詳細度が上がります。コントラストがあると、色や影の微妙な違いに気付くことができます。そのため、コントラスト比が高いと視聴者がより多くの詳細を確認するのが簡単になります。

・アスペクト比
アスペクト比は、投写された画像の幅と高さの比率です。たとえば、フルHD画像のアスペクト比は16:9です。従来のテレビ番組のアスペクト比は4:3で、これはほぼ正方形に相当しますが、現在、ほとんどのテレビはフルHDのアスペクト比16:9で放送されています。プロジェクターでは一般的に、4:3(XGA)、16:9(FHD/4K)、16:10(WXGA/WUXGA)のアスペクト比が使用されています。

・解像度(4K/FHD/WUXGA/WXGA/XGA)
プロジェクターの解像度は、水平ピクセル数に垂直ピクセル数を乗じた数として定義されています。たとえば、フルHDビデオの解像度は1920×1080です。ピクセル数が大きいほど、画像は鮮明になります。以下は、さまざまなディスプレイ標準の解像度です。
・XGA:1024×768
・WXGA(1280×800)
・WUXGA:1920×1200
・FHD:1920×1080
・4K:3840×2160

投写距離

投写距離の原則として、その距離の焦点が短いほうが(1)必要なレンズ数が多く、(2)プロジェクター設計の複雑性が増し、(3)収率が下がります。そしてこれらの理由によって、プロジェクターの価格が上がります。以下は、投写距離の点から見たプロジェクターの種類と、その適切な設定の一覧です。
・通常:会議室、教室
・短焦点:展示スペース、シミュレーションスペース、小規模の教室や会議室
・超短焦点:双方向型の投写スペース、双方向型教室

オプティカル

以下のセクションでは、スローレシオ、ズーム比、レンズシフトと、それらの違いについて説明します。

・スローレシオ
スローレシオは、プロジェクターレンズからスクリーンまでの距離をスクリーン幅で割った値です。固定スクリーン幅の場合、投写距離が短いほどスローレシオが小さくなります。これは、短焦点および超短焦点のプロジェクターの場合、遠距離のプロジェクターの場合も同様です。

・ズーム比
プロジェクターが内蔵ズームレンズ搭載型設計の場合、プロジェクターを移動させることなく、投写画像のサイズを固定位置から調整することができます。ズーム比は、レンズが所定の位置から生成できる最大の画像の幅/長さと、同じ位置からレンズが生成できる最小画像の幅/長さとの比率として定義されています。現実に当てはめるとこれは、画像/スクリーンサイズが固定されている場合、ズーム比が大きいほどプロジェクターを配置可能なスクリーンまでの距離の範囲が大きくなるということを意味します。したがって、ズーム比が大きいほど設置オプションの柔軟性が高まります。このシナリオでは、下の画像に示すように、ズーム比はDaをDbで割った値と等しくなります(Dはプロジェクターとスクリーン間の距離)。

・レンズシフト
ほとんどの場合、設置プロセス中に投写する画像をスクリーンの中央に完璧に配置することは非常に困難です。多くの場合は投写する画像がスクリーンの上や横になってしまいますが、プロジェクター自体を移動したり調整したりといった方法のみでスクリーン上の画像を中央にするのは非常に労力がかかります。このため、レンズシフトはプロジェクターに必須の機能です。垂直シフトを使えば、画像の上下を動かすようにプロジェクターのレンズを切り替えることができます。また、水平シフトを使えばレンズが画像を左右に動かせます。ほとんどのプロジェクターには、ユーザーがレンズシフト機能を実行できるようにするハードウェアコントロールがプロジェクター自体に搭載されています。また、ハイエンドのプロジェクターの中には、電子コントロールまたはリモートコントロールを介してレンズシフト機能を使用できるものもあります。
BenQ LK953STモデルのプロジェクターを使用して100インチの画像を投写すると、下図のようにその垂直シフトは60%の範囲(画像の高さの60%)、水平シフトは23%の範囲(画像幅の23%)となります。

・キーストーン(垂直キーストーン、2Dキーストーン、自動キーストーン)
プロジェクターがスクリーンの中央に調整できないような場所や方向に設置されている場合、投写する画像は台形に歪みます。これを、キーストーン効果と呼びます。たとえば、プロジェクターがスクリーンの上に設置され、投写時には下向きに傾斜している場合、画像はその垂直軸に沿ってキーストーン効果を持ちます。プロジェクターがスクリーンの中央にあるが水平方向に中心がずれている場合でも、画像は水平軸に沿ってキーストーン効果を持ちます。これは、投写画像が必要な90度の角度で画面の平面に適切に投写されていないために起こります。以下は、プロジェクターで使用可能なキーストーン補正のさまざまな種類を説明したものです。

・垂直キーストーン:最も基本的なキーストーン補正。4Kプロジェクターは回路の制約のため、垂直キーストーンのみに対応している場合がほとんどです。
・2Dキーストーン:垂直および水平キーストーン補正の両方に対応します。
・自動キーストーン:ハイエンドのプロジェクターには自動キーストーン補正機能が搭載されており、Gセンサーがプロジェクターに埋め込まれているので、ハードキーまたはプロジェクターのOSDメニューからプロジェクターが自動的にキーストーン効果を補正できます。

業界標準

Rec.709 HDTV 規格で 709
Rec.709は、sRGB色空間と同じRec.709色空間を含むHDTV向けに、国際電気通信連合(ITU)が設定した規格です。すべてのHDテレビおよびプロジェクターは、このRec. 09の色空間を100%網羅している必要があります。

LAN コントロール

LAN制御について話す前に、まずLANの意味を理解しておく必要があります。LAN(ローカルエリアネットワーク)とは、クローズドネットワークを作成するよう、相互に接続された同じエリアにあるコンピューターのグループを指します。このネットワークは、同じオフィス内にある2台のコンピューターで構成することも、大企業で何千台ものコンピューターで構成することもできます。平均的な企業では、ネットワーク内のユーザーが電子的に通信してドキュメントを転送できるよう、LANを使用してネットワークをセットアップしています。プロジェクターで使用する場合、プロジェクターのRJ-45ポートをネットワークに接続し、LANネットワークのIPアドレス機能からIPアドレスを設定するだけで、LANを経由してプロジェクターを制御できます。

RS-232

RS-232規格では、文字はシリアルシーケンスに繋がれたビット文字列を介して送信されます。このタイプの伝送の利点は、信号の送信に必要な線が少ないため、ケーブルがシンプルであることです。短所は伝送範囲がネットワークケーブルより短いという点で、長距離制御にはLAN制御が推奨されています。BenQプロジェクターは、以下の図に示す2つのRS-232インターフェイスをサポートしています。プロジェクターモデルのユーザーマニュアルには、どのインターフェイスがサポートされているかが記載されています。