2025.07.10
ベンキュージャパン株式会社(本社:東京都千代田区、以下 BenQ)、株式会社新学社(本社:京都府、以下「新学社」)、株式会社ユニティ(本社:大阪府、以下「ユニティ」)の3社は、幼児教育分野における新たな学びのかたちを提案すべく協業し、電子黒板「BenQ Board」と連携した知育・教育Webコンテンツ「新学社×あそんでまなぶ!」の提供を開始しました。
協業にあたって各社代表をお招きし、本プロジェクトに至った経緯や取り組み、各社の想いについてインタビューしました。
ベンキュージャパン株式会社
代表執行役社長 菊地正志氏
株式会社新学社
執行役員 教育ICT事業開発部長 檮木幸司氏
株式会社ユニティ
代表取締役 山下優之氏
1957年に創業した新学社は、創業以来、およそ70年にわたって教育コンテンツを手掛けている、子ども向け家庭学習教材「月刊ポピー」でおなじみの教育図書出版社。文科省から発表されたGIGAスクール構想を受けて、2020年には教育ICT事業開発部を設立し、デジタルでのコンテンツ制作も展開している。
一方、今回の協業においてベースとなる「あそんでまなぶ!」を開発するユニティの創業は2003年。幼稚園から小学校低学年の子どもを対象とした知育教育アプリケーションを幅広く開発しており、「あそんでまなぶ!」もそのひとつとなっている。
そして、ベンキュージャパンは、液晶モニターを中心にディスプレイ・トータルソリューションの事業展開を行う台湾メーカーの日本拠点。「働き方改革」にあわせて企業向けに電子黒板「BenQ Board」の提供をはじめ、コロナ禍による労働環境の変化、そしてGIGAスクール構想を受けて、教育機関向けデバイスとしての展開も積極的に進めている。
今回の協業では、ユニティが開発する知育・教育アプリケーション「あそんでまなぶ!」に、新学社の提供する教育コンテンツを融合した「新学社×あそんでまなぶ!」を、ベンキュージャパンの電子黒板「BenQ Board」向けに提供。BenQ Board専用のコンテンツとして、幼保市場で展開される。
今回の協業においてターゲットとなる幼保市場について、「ICT化が取り残されがち」と指摘するベンキュージャパン 代表執行役社長の菊地正志氏。「我々はハードウェアの紹介はできるが、活用していくためには、それにあわせた良いコンテンツが必要」との考えが、3社協業に繋がったと振り返る。
これまで紙を中心とした教材の開発を行ってきた新学社だが、「デジタルを使うことで、今までできなかったことを子どもたちが体験できるようになる」と話すのは、新学社 執行役員 教育ICT事業開発部長の檮木幸司氏。過去に小学校入学前の文字の書き順の教育に関する問題が起こった際、同社で小学校向けに開発していた書き順用の教材アプリを幼稚園向けへ改良することを検討した経緯から、「これまでの経験値をベースに、幼稚園への新しい提案として、デジタルを利活用する」ことの意義を明かす。
そして、「DX化の遅れが市場参入の障壁となっていた」と語る、ユニティ 代表取締役の山下優之氏は、「GIGAスクール構想によって、業務支援系のDX化はかなり進んでいるが、教材に関しては依然として進捗が遅れている」という現状を危惧。また、同社の従来製品は端末ごとのコンテンツであり、小学校では端末が全員に行き渡る環境が整う一方で、幼稚園ではその環境を用意するにはハードルが高く、“幼保業界におけるDX化の波”にいかに乗るかが大きな課題になっていたという。
幼保市場のデジタル化が3社協業の大きなきっかけとなっているが、デジタル化のメリットは「子どもたちの探究心と好奇心が自然に引き出される」ことだとベンキュージャパンの菊地氏は説明する。デジタルコンテンツは子どもたちにとって、“学び”というよりも“遊び”の要素が強くなりがちだが、「その遊びの中から、学び方や考え方、発想が育まれていく」ことが重要であり、電子黒板による授業は「ゲーム感覚で、子どもたちの興味を引きやすく、遊びから学びへのきっかけづくりになる」ところに大きな価値を見出す。そして、「そのためには、デジタルの中身が大事である」との見解から、「新学社×あそんでまなぶ!」は、この探求心・好奇心を刺激する教材として、ICT導入が進んでいない幼児教育の現場にとって、有効な第一歩となるのではと期待を寄せる。
一方、「視覚的に見せることが可能で、子どもたちが直接体験できる」ことがデジタル化の価値と話す新学社の檮木氏は、「体験して初めて気づく価値観」を重視。紙のコンテンツも同時に展開する新学社だが、「やはり、映像で見せるほうが、子どもたちに感動を与えられるのでは」との見解を明かす。
3社協業によって提供される「新学社×あそんでまなぶ!」は、ユニティが開発・提供している「あそんでまなぶ!」に、新学社のコンテンツを組み合わせたもので、「年少(4歳)」「年中(5歳)」「年長(6歳)」をターゲットとしたカテゴリを展開。年齢にあわせたコンテンツに加えて、「英語」カテゴリも用意されている。本コンテンツの最大の特長は、「ひと目で何をすれば良いかがわかる」ところ。「おなじえいくつ?」「ないかずさがし」など、詳しい説明は不要の直感的な問題が満載で、非常にわかりやすいコンテンツとなっている。子どもたちが遊び感覚で学べる構成となっており、初めてのICT教材にもスムーズに取り組めます。
ユニティの「あそんでまなぶ!」はタブレット、あるいはスマートフォン向けとして展開されているが、タッチパネルを利用するという点では電子黒板との相性も抜群。さらに画面が大きくなることによって、「園児へのインパクトが強く、注目を集めやすい」とユニティの山下氏は考える。今後の協業によって園のフィードバックを得ながら、さらなる調整を進めていくという。
年少向けコンテンツの例:「おなじえいくつ」
画面をタップしたり文字を書いたりして、遊びながら学ぶことができます
BenQ Boardを使うことのメリットは、ただコンテンツを表示するだけでなく、BenQ Boardオリジナルのツールも利用できるところ。コンテンツの上から重ねて文字を書き込んだり、タイマー機能を使ったり、スクリーンキャプチャによって画面を保存することもできる。しかし、「ハードウェアデバイスとしての性能やスペックだけではない」とベンキュージャパンの菊地氏は力を込める。BenQ Boardは、園児や先生たちの健康も考慮。ClassroomCare ® テクノロジーとして、「抗菌スクリーン」や「ブルーライトカット」、室内の空気品質 をチェックできる「空気品質センサー」 などを装備することで、健全な学習環境を提供する配慮もしっかりと行われている。
今後の展開として、「文字を書く、読む、聞くということに加えて、見る、感じる、体験する、そして、それらをみんなと一緒に実行する。子どもたちにより良い学びを、BenQ Boardを利活用しながら、提供していきたい」との意気込みを明かす新学社の檮木氏。「幼保業界の方にたくさん使っていただけるとありがたい」と話すユニティの山下氏は、「さらなる市場拡大のためにさまざまな展開でもご一緒できれば」と意欲を見せる。
「単なるハードウェアの提供だけに留まらず、質の高いコンテンツと組み合わせることで、より幅広く提案をしていきたい」というベンキュージャパンの菊地氏は、「幼保市場においては、電子黒板もコンテンツもまだ始まったばかり」と前置きし、「今後も新しい技術を積極的に取り入れ、コンテンツ側にもフィードバックを行いながら、新しい可能性を広げていけば、協業した意味もより高まっていくのではないか」と締めくくった。
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