昨今ではAIが教育のあり方を変えつつあります。教師も生徒も、学習体験を向上させるためにAIを活用するようになってきました。BenQ BoardとBenQ Board 搭載アプリには、7つのAIツールが標準搭載されており、教室での活用のしやすさ、多様なシーンへの柔軟性、安全性を高めています。これらの機能とその利点についてご紹介します。
1. 紙面上の文章を編集可能なテキストに変換
教科書や配布資料を使って授業を行う教師にとって、BenQ Boardはそれらをデジタル化し、授業中にも活用できるようにする手助けをしてくれます。光学式文字認識(OCR)機能を使えば、紙面上の文章を手入力することなくテキストとして抽出でき、時間と労力を節約できます。特に、紙の資料を使って書画カメラ(Webカメラ)で授業をする教師には便利です。
例えば、教科書を授業で使用していて、そのページを編集可能なテキストとして生徒と共有したい場合は、書画カメラ(Webカメラ)でページを撮影し、その画像をホワイトボードアプリEZWriteにインポートします。「OCR」ボタンをタップすると、画像内の文章が自動で抽出され、編集可能なテキストボックスに貼り付けられます。抽出されたテキストは、編集やハイライト表示が可能で、このあとに紹介する音声読み上げ機能と組み合わせれば、読み上げもできます。
2. BenQ Board が生徒にテキスト読み上げ
BenQ Boardに搭載された「テキスト読み上げ」機能は、教室全体にテキストを読み上げることができます。テキスト読み上げ機能はとても自然で聞き取りやすい音声になっています。読み書きが苦手な生徒にとって、テキスト読み上げ機能は授業に積極的に参加するための貴重なツールです。
アメリカでは18歳未満の子どもの約3%が視覚障がいを抱えており1、6〜7%が学習障がいを持っている2とされています。その85%は読み書きに関連しています。2021年時点でアメリカの公立の幼稚園から高校に通う生徒は約4,940万人で、そのうち100万人以上が読書に困難を抱えている可能性があります3。
このような生徒を支援するため、EZWriteにはテキスト読み上げ機能が搭載されています。EZWrite内のテキストを選択し、ボタンをタップするだけでBenQ Board が音声で読み上げてくれます。この機能により、学びの場での活用のしやすさ、多様なシーンへの柔軟な対応が向上します。
3. 手書きの文字をテキストに変換
ホワイトボード画面に文字や図形をたくさん書いているとき、それらを読みやすく、編集しやすくしたいと思うことはありませんか?EZWriteの手書き認識ツールを使えば、文字を打ち直すことなく、きれいなテキストに簡単に変換できます。
手書きの文字を選択し、「手書き認識(ez)」ボタンをタップするだけで、読みやすく編集可能なテキストに変換されます。テキストサイズや太さを調整したり、テキスト読み上げ機能や翻訳機能と連携させたり、生徒と共有したり、後から検索することも可能です。多言語に対応しており、また、数字のテキスト変換も可能です。
さらに、図形にも対応しています。ホワイトボード画面に図形を描いて選択し、「図形認識」ボタンを押せば、整った図形に変換され、サイズ変更や色変更、複製なども行えます。
この機能で作成した内容は検索性も高く、たとえばGoogle Driveに保存しておけば、後からキーワード検索ですぐに授業ノートを呼び出すことができます。
4. 多言語の壁を取り除く
翻訳ツールは、外国語の教材を理解するのに役立ち、また教室で使われている言語を母語としない生徒の支援にもなります。アメリカでは2020年時点で、全生徒の約10.3%(500万人)が英語学習者でした(National Center for Education Statistics調べ4)。
BenQ Boardの新機能にはGoogle翻訳ツールが搭載されています。59言語から使用言語を設定し、EZWrite内でテキストを選択して「翻訳」ボタンを押すだけで翻訳が行えます。
例えば多言語のクラスでは、教師が簡単にホワイトボード画面上で翻訳を表示して理解を助けることができます。世界史などで原文資料を読む際にも活用できますし、語学クラスでは辞書代わりに使用したり、上級者が翻訳を編集・改善する活動にも使えます。
5. 不適切コンテンツのフィルタリング共有
生徒はタブレットやパソコンなどの端末から、電子黒板へコンテンツをワイヤレスで簡単に共有できます。これは、協同学習やプレゼンテーションを促進する素晴らしい方法です。一方で、生徒が学習に関係のない不適切なコンテンツを画面に共有して授業を妨げるリスクも存在します。
このような状況を防ぐために、BenQ Board に搭載されているワイヤレス画面共有アプリ「InstaShare 2」にはAIによるコンテンツ管理機能を採用しています。このAI機能は、共有された画像をリアルタイムでフィルタリングし、BenQ Boardにアダルトコンテンツが表示されるのをブロックします。これにより、授業の妨げが減り、より安全な教室環境が実現されます。
6. 音の聞きやすさの重要性
音質が悪いと、学習効果も下がります。ある調査では、3人に1人の生徒が、オンライン授業中の音声の聞き取りに不満を感じたと答えています5。さらに、9歳未満の約14.9%の子どもは軽度の聴覚障がいを抱えており6、また、それ以外の子どもでも教室の音響や雑音により、25%の内容を聞き逃すといわれています7。
この問題に対処するため、BenQ Boardとその外付けカメラには、ノイズを低減するマイクが搭載されています。これにより、配信中の授業や録画から不要な音を遮断できます。たとえば雷の音やエアコンのノイズなどの背景音を自動的に除去し、教室の声が明瞭に聞こえるようにしてくれます。
7. 参加者を常にカメラの画面内に
ハイブリッド授業の実施や、遠隔でのイベント開催、ビデオ会議などを予定されていますか?もしそうであれば、カメラの操作に気を取られず、コンテンツの提供に集中したいところです。
BenQ BoardにDV01Kカメラを組み合わせることで、常にフォーカスを保つAIフレーミング機能を利用することができます。
DV01Kは、AIによる顔と音声のトラッキング機能を備えており、話している人物の顔を自動で認識して追跡します。そのため、カメラの正面に立ち続ける必要はありません。さらに、自動フレーミング機能により、常に画面内に人物を収めることができます。
AIを活用した教育ソリューションを始めましょう
これらのツールは、EDLA認証 BenQ BoardとDV01Kカメラで簡単に利用でき、教師と生徒の双方にとって、より良い教育体験を実現します。
BenQ BoardとAIツールで授業をより充実させたいとお考えですか?
ぜひ、当社の専門スタッフにお問い合わせください。
BenQ について
BenQは、液晶モニター、プロジェクター、インタラクティブディスプレイ(電子黒板)など、さまざまな用途向けに幅広いディスプレイソリューションを提供する企業です。教育テクノロジーのプロバイダーとして、BenQは生徒や教師の健康に配慮し、また、生徒の「好奇心」や「探究心」を育む柔軟な学習環境を作り出せるようなソリューションを設計・提供しています。詳細は BenQ Education をご覧ください。
BenQ Board について
参照元
- “Fast Facts About Vision Loss”, Centers for Disease Control and Prevention, 19 December 2022, https://www.cdc.gov/visionhealth/basics/ced/fastfacts.htm, last accessed 28 August 2023.
- “Dyslexia Basics”, International Dyslexia Association, https://dyslexiaida.org/dyslexia-basics/, last accessed 29 August 2023.
- “Fast Facts - Back to School Statistics”, National Center for Education Statistics, 2022, https://nces.ed.gov/fastfacts/display.asp?id=372#:~:text=In%20fall%202021%2C%20about%2049.4,kindergarten%20to%20grade%208%3B%20and, last accessed 29 August 2023.
- “English Learners in Public Schools”, National Center for Education Statistics, 2023, https://nces.ed.gov/programs/coe/indicator/cgf/english-learners#:~:text=The%20percentage%20of%20public%20school,%2C%20or%204.5%20million%20students), last accessed 28 August 2023.
- “Reimagining Education with High-quality Audio - Drive Student Engagement and Focus While Learning From Anywhere”, EPOS, Frost & Sullivan, 2020, https://www.eposaudio.com/en/gb/enterprise/insights/white-papers/reimagining-education-with-high-quality-audio, last accessed 11 September 2023.
- Elbeltagy, R., “Prevalence of Mild Hearing Loss in Schoolchildren and its Association with their School Performance”, International Archives of Otorhinolaryngology, January 2020, vol. 24, p.93-98.
- Classroom Acoustics I, The Acoustical Society of America, 2000, p.1, https://files.eric.ed.gov/fulltext/ED451697.pdf, last accessed 29 August 2023.