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明るさと投影距離、照明、画質、色との関係性を把握しよう。

BenQ
2023/01/30
投影距離と環境光について

当社のプロジェクターの明るさの単位は業界の統一の基準で測定された「ANSIルーメン」で表記され、プロジェクターを選択する際の重要な基準となります。ただし、設置環境によってプロジェクターの選び方は異なるため、慣れていない方にとっては難しいでしょう。ここでは、明るさと投影効果そして設置環境との関係性について見ていきましょう。

まずは明るさと環境光の関係についてのわかりやすい例として、自動車のヘッドライトについて考えてみましょう。夜道で対向車のハイビームを目で見たときを想像してみてください。暗い場所で車のヘッドライトを見た時、人の目は強い光を放っているように認識します。一方、日差しが強い日中の場合、どんなに明るいライトが発せられていたとしてもライトの光を明るいと認識することは難しいでしょう。同じようなことがプロジェクターの光と環境光との間に起きます。つまりスペック上の明るさはANSIルーメンの数値で表記されていても、明るさの感じ方は周囲の環境光の明るさに応じて異なる相対的なものとなります。プロジェクターの明るさを最大限享受する理想的な環境は照明の一切ない暗室ではありますが、もし部屋の照明などの環境光がある場所でプロジェクターを使用する場合は、暗室で見る場合には劣りますが高いルーメン数を誇るモデルを選んだ方がより良い鮮明に映像を楽しむことができます。

暗室で100~120インチで映す場合は、2000ANSIルーメン以上(目安)が基準となります。 室内の照明などが入り込む場合は、3000ANSIルーメン以上が好ましいです。後者では環境光の明るさによっては映像のサイズを小さくして映像の明るさを稼ぐなど調整が必要な場合もあります。

ルーメン数が高ければ高いほど、「高画質」とは限らない理由

明るいモデルであれば映像のサイズや環境光の有無に関わらず、綺麗な発色と明瞭な画像が保証されると思われるかもしれません。ホームシアターモデルにおいては、ルーメン数の数値が高くなくとも他の要素で色の再現性やコントラストを向上させ、より鮮明でよりクリアな映像を映し出せるプロジェクターも存在します。

プロジェクターの性能の一つの要素は光源です。光源の性能により明るさの最大出力と色味を左右するカラーホイールが決まります。カラーホイールとは水銀ランプ光源やレーザー光源などの白色や青色の光を他の色に変換するために使われるドーナツ形のカラーフィルターで、水銀ランプモデルではRGB(赤緑青)を基本としたセグメントで分割されています。RGB以外にもCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)などが明るさを稼ぐためにセグメントに追加されることもあります。この場合、色味を多少犠牲にして明るさを向上させているため単純に明るいからいいとは限らなくなります。つまりカラーホイールの性能にも画質は影響されます。理論上ではワット数の高い光源で明るい映像を投影し、同時に色を正確に再現すためのカラーホイールの純度を高めたものが一番良いモデルです。しかしより鮮明でクリアな映像を映し出す上では光源の性能は絶対的な要素ではありません。光透過率を高め、色の純度の高いカラーホイールを光学回路に組み込むことによって光の純度を制御し色の精度を向上させることができ、高画質化の実現が可能です。

最近ではカラーホイールを使用しないRGB単色のLEDやレーザーなどの固体光源を用いたモデルが増えてきています。純粋な単色の光を出すことができるため、当社のX3000iなどカラーパフォーマンスに優れたモデルが多いです。

ニーズに合わせた理想的なプロジェクターを見つけましょう

プロジェクターを選ぶ際に見るべき点はいくつかありますが、最も重要な要素の一つが「明るさ」です。投影環境(投影距離や環境光の有無等)に応じ適切なルーメン数のプロジェクターを選ぶことで、プロジェクターは鮮明かつクリアな映像を映し出すことができます。プロジェクターを選ぶ前に、プロジェクターと投影場所からの距離、想定する投影サイズ、そして映画鑑賞時に照明をどうするかを考える必要があります。これらにより、最高の大画面での視聴体験をもたらす理想的なホームシアターが実現できるでしょう。

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